今週のSEOまとめ記事は、Googleはリダイレクトを使わなくてもドメインの移転を認識する事例、ECサイトでコンテンツ内容を見直したことによりアクセスが激増した事例、Googleの対スパム新特許、検索ランキング上位を狙うサイト構成、キーワードを選ぶときの考え方、アクセスが減ってしまった場合の精神的な対応策をご紹介いたします。

良記事がてんこもりですので、是非、すべての記事をご覧になって参考にして頂きたいと思います。

読んで知ることも重要ですが、理解し実践することが大事です。

私もこれら記事を参考にし、実際に試してみたいと思います。

今週のピックアップ

 

Googleはリダイレクトを使わなくてもドメインの移転を処理する

当サイトは移転しました。移転先はこちら。

一般サイトですと、このような感じでユーザーに移転を告知するだけのサイトがよく見られます。

しかしSEOの世界での常套手段というわけではなく、正しい移転の手続きというものは

  1. 301リダイレクト(ベストな選択)
  2. link rel=”canonical”(代替手段)
  3. meta refresh(代替手段)

上記のような処理を行ったうえで、ウェブマスターツールのアドレスの変更ツールを利用します。

しかし、無料のレンタルスペースや、プロバイダが提供しているホームページスペースでは301リダイレクト(恒久的な移転)を使うことができないシーンも多々見受けられます。

そのような状態になると移転作業は難航するのですが、トップページに移転したことを伝える文章を配置し、引越先ドメインのハイパーリンクを設定しておくことにより比較的正しい挙動で移転に成功していると思われる事例が、SEO is DEADの301リダイレクトをしなくてもGoogleはドメイン移転を認識するという記事で公開されています。

旧ドメインのトップページのみに「ドメイン移転しました。http://新しいドメイン.com/(新しいドメインへのリンク)」というHTMLファイルを記述。

上記の方法でもGoogleはドメインの移転を認識したそうです。

 新ドメインでの「link:http://新しいドメイン.com/」での被リンクデータにも、旧ドメインのリンク元が出現しております。

とのことで、301リダイレクトや0秒のmeta refreshを使わなくても、被リンクを完全に無駄にすることはなく(どの程度リンクジュースの提供量が減っているかはわかりませんが)、新ドメインに移転することもできるようです。

現在のGoogleはサイト同士の紐付けも想像以上に上手く処理するようになってきていると言えるでしょう。

このパターンの移転で恐ろしいのは、修正不可能なペナルティや、非常にリカバリに時間が掛かりそうで1から作り直したほうが早そうなくらいのペナルティを受けた場合の移転を行う際、ペナルティになると思われるリンク供給先の負の要因も一緒に移転させてしまう可能性があることです。

移転ではなくコンテンツも含めて1からやり直したほうが早いのかもしれません。

 

ECサイトのコンテンツを修正しアクセスが増えた事例

月間訪問者数が100程度のECサイトが25倍の2500人にまで増えた素晴らしい事例が、SEO ImaginationのECサイトのSEOは改善の量が成否を分けるという記事で公開されています。

ECサイトはショッピングカートを用意し、商品を並べれば完成というわけではなく、そこからコンテンツを良くしていかなければ閑古鳥が鳴き続けるサイトになってしまいます。

施策した内容

  • タイトルタグの重複やコンテンツの重複をなくす
  • 全商品にオリジナルの説明文をつける
  • 色違い商品にもあえてlink rel=”canonical”は使わない
  • ここまでかというほどの、商品に対しての情報量

タイトルタグの重複をなくしたり、コンテンツの重複をなくすのは当たり前の施策ですが、色違いの商品に対してもlink rel=”canonical” を使わないというのは一つのやり方として面白いです。

通常、色違いの商品というものは管理のしやすさの為に別ページにしていた場合、canonicalでURLの正規化させるのが一般的です。

例えば、コンバースオールスターという靴を売っているページの場合、色が黒のページからも、色が白のページからも、色がピンクのページからも、link rel=”canonical”をコンバースオールスターの代表ページへ向け正規化させます。

理由は、通常、カラー以外の説明文が一緒になってしまうため重複ページを大量に生産してしまうことになるので、それを正しく処理するために行います。

しかし、SEO Imagination!の伊藤さんの解説されている事例では、あえてlink rel=”canonical”を使用せず、黒は黒の。赤は赤の着こなしや、利用シーンをふんだんに掲載し、重複ページを量産してしまいがちな色違いページにさえ独立した独自コンテンツに仕上げたそうです。

canonicalはECサイトの設計段階で自動で正規化できるようにシステムに組み込むことが多いと思いますが、あえて使わないという選択肢もあるということが非常に勉強になりました。

また、MやLというサイズの表記だけではなく、実寸も表記したり、モデルの身長や使用している商品のサイズまで表記されており、ここまで作りこまれているECサイトは少ないのではないかと思いました。

ユーザーが知りたいと思っている情報をどんどん追加していって良いコンテンツを作っていく方向性は素晴らしいです。

 

スパム検出の新特許。スパマーに想定外の結果を見せて相手の出方を見る

Google取得したウェブスパム対策の新特許が公開されています。

詳しくは海外SEOブログのGoogleが取得した新しい特許は想定外の順位を見せてスパムを判定するで解説されております。

この特許をわかりやすく解説してみたいと思います。

とあるウェブスパマー編

  1. スパマー:検索ランキングを上げたいサイトに不正なリンク施策を行う
  2. Google:本来なら評価されるようなリンクではあるが、わざと想定外のSERPsを返す
  3. スパマー:思ったより順位が上がらないので、もう少し張ってみよう
  4. Google:更に想定外のSERPsを返す
  5. しまった!! 順位が下がってしまった。リンクをはがそう
  6. Google:掛かったな

この例では、ブラックハットな手法で外部リンクを供給した場合のGoogleの動きとスパマーの行動を簡単に表してみましたが、もちろん、外部リンク以外でのスパムでも同じようなアルゴリズムが働くと思われます。

この特許は2010年に申請されているもので、すでにアルゴリズムに組み込まれているとしても驚くことではありません。

今後ブラックハットな施策は、今までより長い時間軸で考える必要もあり、Googleの仕掛けた罠さえ意識する必要があり、難易度が上がっているといえるでしょう。

まさに孔明の罠。

 

じゃらんと楽天トラベルSEO比較

サイトの構造やリンク構造を見直すヒントになる記事が、アルコブログのリクルートSEO研究 じゃらんvs楽天トラベル 第2弾で公開されています。

検索エンジンに対し、重要なページと、それほど重要度の高くないページをサイト構造で上手に伝えている事例を分析されています。

図でわかりやすく解説されているお勧めの記事です。

検索ランキングでは被リンクが重要だとよく言われていますが、それと同じくらい、いや、それ以上に内部構造というものは重要です。

この記事ではじゃらん楽天トラベルという大手の旅行、宿泊サイトを比較し、じゃらんが優れていると思われる点を詳しく解説しています。

サイトのディレクトリ構造やタイトル付けで工夫されているじゃらんは、検索エンジンからの評価も高くなっているようです。

 

キーワード選定方法

当ブログでもロングテールSEO入門という記事を連載しておりますが、マイナーキーワードを狙うにせよ、ミドル、ビッグキーワードを狙うにせよ、キーワードの選定作業というのは重要な作業です。

サイトを作成する時のキーワードの洗い出しについての考え方が、住太陽さんのコンテンツ計画に基づくキーワード選定という記事です。

ユーザーが求めているであろう有益な情報が用意されている前提でのお話ではありますが、その記事を求めているユーザーはどのようなキーワードで検索するのだろうかということを考えて設定するといいでしょう。

逆に言えば、ユーザーが満足する情報が用意されていないのに、なんらかのキーワードで上位化させてしまうと、訪れた方は内容を見てがっかりしてしまい、悪影響を及ぼすことになるでしょう。

物販のECサイトにおいては情報発信は難しい、という話をよく耳にします。発信すべき情報がそれほど多くない、というのです。しかしこれは誤りで、物販のサイトであっても発信すべき情報は多岐にわたります。

これには私も完全に同意です。

「出来ない」と「やっていない」は別問題だということです。

そして、先ほど紹介した、ユーザーの求めるであろう情報を掲載することにより、アクセスが25倍になった実例もあります。

もちろん、情報を載せすぎることにより、商品を絞り込みにくくなったり、逆にユーザーの回遊性を悪くさせたり、「この商品の良い所はこれや!!!」というピンポイントでダイレクトに訴えかける売り方がやりづらくなるようなデメリットもあります。

メリットを活かしつつデメリットが極力出てこないような構成を考える必要があるでしょう。

またGoogle AdWords キーワードツールについても触れらております。

需要の多い少ないを確認するのはいいですが、このツールに頼りすぎて振り回されることにならないよう、ユーザーの為になるコンテンツとキーワード選定を行っていきたいですね。

住太陽氏の記事は、整然とまとめられた良質な情報の塊なのですが、今回も期待を裏切らない教科書と呼べる内容となっておりますので、まだご覧になってらっしゃらない方は是非確認して、実践してもらいたいです。

 

アクセスが減ったときの対処法

順調だったアクセスが激減した場合の対象方や考え方や心の持ち方が、パシのSEOブログのアクセス数が落ちた時の対処法~Googleは思っている以上にツンデレ~で解説されています。

  1. 確実に問題がありそうな箇所を修正する
  2. Googleの一時的な勘違いだと思い込む
  3. Googleのツンツン期間だと思い込む
  4. アクセス解析の不具合だと思い込む
  5. 元々今のアクセス数だったと思い込む
  6. 他のサイト作りに没頭する
  7. 逆に更新しまくってみる
  8. いい機会なのでブラックなことに手を染める
  9. 何もせずにひたすら待つ
  10. サイトの存在を忘れる
  11. はいはいワロスワロス

実際にアクセスが落ちたときの精神的な対処法だそうです。

私の場合ですと、1の確実に問題がありそうな箇所を修正する、2のGoogleの一時的な勘違いだと思い込む、10のサイトの存在を忘れる あたりを選択します。

ブラックハットな手法に手を染めていない場合、問題がありそうな点の絞込みは比較的容易です。

たとえば、パンダアップデートで検索順位を落としてしまったり、アクセスが減った場合には、ユーザーの画面を広告が占めていないか、低品質なページが多くないか、重複と見られるページが多くないか など、理由を絞り込むことが出来ます。

広告は張ってない。低品質な記事は書いていない。URLの正規化もばっちりだ。という場合だと、「今回もまた、Googleの勘違いか。ほっといたらまた戻るでしょう」と楽観視することもできます。

逆に言うと、待てども待てども順位が戻らない場合、気付かないうちに何かしらのミスを犯している可能性が高まりますので、サイトをよく確認することが大事になって来るでしょう。

竹内氏は「SEOでは待つのも仕事」と仰っています。

果報は寝て待てと申しますが、やるべきことをやったら、あとは待つというのは大事なポイントだと思います。

待っていれば回復していたような事例を、あれこれいじくりまわすことで更に問題の箇所が増えてしまい、大変な混乱を引き起こすことは避けたいところです。

順位が下がった後にも今までどおりの質の高い記事を更新し続けていったおかげで、順位が元に戻るどころか、順位が落ちる前よりもアクセスが増えた事例もあるようです。

良質な記事を更新し続けたおかげでフィルタリングの閾値を超え、フィルタリングが解除されたことに加え、新しい記事も検索にヒットするようになり、更にアクセスが増えたのかも知れませんね。

なんにせよ、前向きに考えて、良質なコンテンツを提供していきたいものです。

 

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