サテライトサイト(衛星サイト)を作成するときには、独自ドメインでやるべきか、サブディレクトリで展開させるか、サブドメインで運用していくか悩む方も多いと思います。

当ブログでのサテライトサイトとはワードサラダや、低品質な記事を作成し、別ドメインからページランクを送るスパム行為ではなく、それ自体がコンテンツとして成り立っており、必要性、必然性があるからリンクを張り、ユーザービリティも上がるサイト構成の事を指しています。

独自ドメインのブログが無料レンタルブログより有利な色々な理由の記事や、サイトを作成するまでに決めておくべき項目の | ドメインの決め方でも解説しましたが、中核を担うとなるコンテンツを作成するには独自ドメインでの運用が最も好ましいです。

今回はメインサイトではなく、メインから少し外れるが、関連性の高いサテライトサイトを作成する場合、独自ドメインでやるべきか、サブディレクトリでやるべきか、サブドメインでやるべきかを考えていきたいと思います。

サテライトサイトとは

サテライトサイトとは、メインサイトへアクセスを流すために立ち上げる別サイトのことです。

リンクジュースの供給のみを目的とした低品質なサイトのこともサテライトサイトと呼ばれることがありますが、当ブログで定義しているサテライトサイトは、1つのコンテンツとして見ても十分にユニークな、決して手抜きではないサイトです。

例えば、会社のサイトに用意された社長ブログや、お店のサイトに用意されたスタッフブログなどのことをイメージして頂けるとわかりやすいと思います。 メインコンテンツとは違った切り口で集客を行う手法です。

 

それぞれの形式のメリットとデメリット

 

サイトを複数運営するのに適した独自ドメイン

まずは、サテライトサイトを独自ドメインで運用する方法について解説したいと思います。

サテライトというよりは、グループ企業や、グループサイトを複数同時に運営する時に用いられることが多いです。

リクルートのフッターリンクを見てもらえれば一目瞭然です。

不動産サイトのSUUMOや中古車のカーセンサーなどがそれぞれ独立したドメインで運営されています。

メリット

  • メインサイトや親サイトのドメインを受け継がないので、独自色を強く出せる
  • ペナルティを食らった時や、Googleの気まぐれで順位が大幅下降した時の収益減の損害が軽くなる
  • ドメインを越えるのでキーワードカニバリゼーション(共食い)をあまり意識しなくても済む
  • 評価の高いドメインに育てば、他の運営サイトへ張ったリンクの効果も期待できる

当ブログを例にすると、https://whitehatseo.jpというドメインですが、アニメサイトも作りたい!! といった時に、http://anime.whitehatseo.jp や https://whitehatseo.jp/anime-blog/ などというアドレスにしてしまうと、「SEOなのにアニメとか、なんだかなー」といった少々格好の悪いアドレスになってしまいます。

サブドメインで運営するならともかく、サブディレクトリでやるのはサイトテーマまで薄まってしまいそうで、かなり気持ちが悪いですね。(ウェブマスターツールに登録して別サイトであると宣言しておけば大丈夫だとは思いますが、試したことはありませんので)

リクルートの運営サイトでは、ジャンルごとにドメインを取得し、そこから更に細分化させる場合にサブディレクトリで行っているようです。

デメリット

  • ドメイン維持のコストが増す
  • 新規ドメインを育てるのには時間が掛かる

ドメインの維持費はたいした話ではないのですが、新規ドメインを育てるには相当の苦労が必要です。

既にある程度育ったドメインのサブディレクトリで運用するパターンと比較すると、0からのスタートになりますので長い目で見て運用していく必要があります。

また、ドメインが別になっていますので、リンクを貰っても、リンクを貰ったサイト以外のドメインが育つわけではありません。

一軍のサイトを多数運用したい時は独自ドメインで運用しよう

様々なジャンルでサービスを運営したい場合、ドメインからサイトのイメージを設計していけるメリットがありますので、独自ドメインで運用するのが良いでしょう。

ちなみに、私が現在計画しているサテライトサイト(2個目のホワイトハットSEOブログ)も、狙う客層もサイトの雰囲気も違うので独自ドメインで設計中です。

ジャンルが大きく外れない場合はサブディレクトリやサブドメインの運用もメリットが多いのですが、私の場合はやはり、ドメイン名とサイト名でサイトの雰囲気がわかるような設計が好みですので、独自ドメインを選択しました。

メインサイトとサテライトサイトの関連性が近い場合に適したサブディレクトリ

一般的なサテライトサイトを作成する時のお勧めは、サブディレクトリでの運用です。

http://example.net で商売用のウェブサイトを運用しながら、http://example.net/blog/で社員ブログや、スタッフブログを運用するというやり方です。

有名な例を上げると、価格コムが比較商品ごとにディレクトリを分けて運用されています。

メリット

  • ドメインの評価を受け継ぐので、最初から全速力で飛ばして行ける
  • サテライトサイトが評価されればドメインの評価も上がり、メインコンテンツの順位にも好感触

サブディレクトリ形式の場合、コンテンツの一部としてみなされることが多いと思われますので、新記事を公開した際に狙ったキーワードですぐに上位に来るような評価の高いドメインの場合恩恵を受けることができます。

また、例えばパン屋のサイトのスタッフブログがリンクを獲得した時に、そのページに対する評価もあがりますが、ドメイン自体の評価も上がりますので、結果的にパン屋のサイトの検索ランキングも有利になります。

デメリット

  • ペナルティを食らった場合、ドメインごと巻き込まれる可能性がある
  • キーワードカニバリゼーションを意識する必要がある
  • 関連性の薄い記事を書いていくと、メインコンテンツの関連性が薄まり足を引っ張る

ただし、サテライトサイトが何かしらの施策ミスなどでペナルティを食らってしまった場合、メインのサイトまで巻き込んで圏外旅行へ旅立ってしまう可能性があります。

また、スタッフブログが意図しない記事で上位化してしまい、肝心のメインのページが検索結果からいなくなってしまうこともあります。

一番気をつけたいのは、書いていて楽しいからといって、関連性のない記事を次々と公開していくと、全体のサイトテーマが薄まってしまい、検索エンジンからの評価が下がってしまいます。

直接的な恩恵が一番大きいと思われるサブディレクトリ形式は様々なサイトでお勧めできます

あまり大規模ではないサイトの場合、サテライトサイトはサブディレクトリで運用するのが最もメリットが大きいと思います。

サテライトサイトというよりは、コンテンツの肉付けや、広がりを増したりして、ドメインの評価を高めていくイメージでやっていくと良いでしょう。

キーワードカニバリゼーションを引き起こす可能性はありますが、1ページ1キーワードを意識して、メインコンテンツを食ってしまわないように気をつけていればさほど難しい話ではありません。

サイトと関係のない日記が書きたい場合は、SNSでやるとか、サイトとは関係の無い個人ブログを開設してそこでお好きなだけ堪能してください。

1つのドメインを主軸に様々な方向で運営していく時に適したサブドメイン

一つのドメインで様々な方向に広げて行きたい場合は、サブドメインで運用すると良いかもしれません。

有名どころがYahooで、種類ごとにサブドメインに分けて運用されています。

例:http://auctions.yahoo.co.jp(ヤフーオークション) http://shopping.yahoo.co.jp(ヤフーショッピング)

メリット

  • サテライトサイトがペナルティを食らっても巻き添えを食らわない
  • キーワードカニバリゼーションを意識しなくても良い
  • ルートドメインが同じ安心感
  • ドメイン名の語呂を有効利用出来る

コンテンツの一部とみなされると思われるサブディレクトリ形式と違い、独立したサイトだとみなされるサブドメイン形式は、ともすればなかなかメリットが見当たらないとも言えます。

サブドメインで運用しているサテライトサイトがペナルティを食らっても直接的な巻き添えを食らわないという件や、キーワードカニバリゼーションを意識しなくても済むという点については、独自ドメインでも同様の事が言えます。【追記】

唯一の違いはルートドメインが同じという安心感を得られるということでしょうか。

Yahooの場合だと、ヤフーオークションや、ヤフーショッピングなんて「わたしヤフーだけど何か」といってるくらいの信頼感が感じられます。

ドメイン名の語感を便利に使うこともできますので、上手に使えそうなドメインをお持ちの方は試してみる価値があるかもしれません。

私はhttp://リンク.bizというドメインを持っていますが、http://被.リンク.biz や http://相互.リンク.biz といった感じで運用していけば面白いことが出来るかもしれないというイメージで良いかと思います。

追記:Google+でSEOとその周辺の田村さんに指摘して頂きました

サブドメインの場合でもキーワードカニバリゼーションは意識する必要があると思います。基本的に同一ドメインであると、検索結果に4ページ以上出ませんし、トップページには2ページ以上はまず出ないです。

検索キーワードにより変わってくるようですが、カニバル場合もあるし、カニバらない場合もあるようです。 確実にカニバリゼーションを意識しなくて済むようにするには独自ドメインで運用するほうが確実です。

デメリット

  •  ドメインの評価は受け継がない(おそらく)
  • サブドメインが被リンクを獲得してもルートドメインの評価はほとんど変わらない

サブドメインは別サイトとみなされますので、親ドメインがとても力を持っていたとしても引き継がないと思われます。

つまり、サブドメインで展開しているサテライトブログなどが被リンクを受けても、親のドメインの評価が大幅に上がるわけではありません。(サブディレクトリ形式と比較して)

私の持っているドメインのサブドメインにWordPressをインストールし、友人に自由に使ってもらっていますが、それによって私のドメインの評価が上がったような感触もなく、評価が下がった印象もありませんので、ほぼ別サイトとして処理されているのは間違いないと思っています。

いまいちメリットがわかりづらいサブドメイン形式

サイトテーマごとにドメイン名から設計して構築した独自ドメインは他の形式に比べて立派なサイトに見えて被リンクを受けやすいというメリットがありますし、コンテンツの一部とする認識で評価が高められるサブディレクトリ形式と比較すると、サブドメイン形式のメリットはあまり多くありません。

1つの巨大なブランドである場合や、巨大なブランドにしたい場合、サブドメインを組み合わせて面白いアドレスが作れるといったメリットがある場合はサブドメイン形式を選択するのも一つの手ですが、逆に言えば、メリットが良くわからない場合はサブディレクトリで運用するか、独自ドメインを取得するのが賢明だと思います。

まとめ

サイトテーマをがらっと帰るサテライトサイトを作成する場合は独自ドメインかサブドメイン。

コンテンツの一部として運用したい場合はサブディレクトリで運営するのがベストだと思います。

多くの方にぴったりマッチするのはサブディレクトリ形式だと思いますので、メリットデメリットがよく理解出来ていないけどサテライトサイトを作って見たい という方はサブディレクトリで運用してみる事をお勧めします。

 

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