前回の記事で西宮商工会議所主催の、「インターネットを活用したい」に応えるセミナーの前半の感想記事を書きました。
前半では株式会社WEBライダー松尾茂起氏のセミナーでした。
松尾氏は、はてなブックマークのホッテントリ入りを狙う方法や、Twitterで被リンクを獲得する方法、WEBサービスを運営するメリットなどを解説してくださいました。
今回は後半に行われた、伊藤富雄氏のセミナーである、ソーシャルメディア活用法の感想を書いて行きたいと思います。
伊藤氏の講義はSEOではなく、ソーシャルメディアを主体とした考え方ですので、私のように検索エンジン寄りの考え方の人間からすると、それはどうなの? と思う点もありましたが、SEOもソーシャルも、最終的な目標は収益を増やすことですので、少し違った角度から見た意見を聞くのはとても貴重な経験となりました。
なぜSEOが必要かといえば、集客する為ですし、Facebookを使って検索エンジンを越える流入量が得られる仕組みが作れるのならば、やらない手はないですね。
インターネットで最も重要な行動とは
インターネットで最も重要な行動とは? という伊藤氏の問いかけから始まったセミナー。
ユーザーは様々な体験を共有したがっていると言えますし、その共有した体験がこそが重要だと言えます。
以前では情報を得る為に検索を使っていたのが、今ではソーシャルを通して友人から得た情報を重視するようです。
このあたりが、私の中ではすっきりしないというか、実際にソーシャルで友達がお勧めしていても、私自身は「ふーん」で終ってしまうタイプです。
私なら興味があれば検索で調べます。
例えば何か商品を買おうと思ったら、価格コムの口コミ、Amazonのカスターレビュー、Google検索で関連ブログ記事などを検索し、それでも足りなければ、にちゃんねるを見て情報を集めます。
ポジティブな点だけではなく、ネガティブなポイントも確認した後に自分の中で判断します。
フェイスブック上で友達が「〇×屋のラーメン食べに来ています」と美味しそうな写真を載せていても、「ラーメン食べてみたいなぁ」程度には思うかもしれませんが、そのお店に食べに行こうと思ったことはありません。
どうせ食べるなら、私が過去に食べておいしいと思ったラーメンを絶賛している人がお勧めしている他の店だとかを調べて食べると思います。
と、考えるのはきっと私がパソコンオタクなだけで、ごく一般的にスマホなんかでライトにインターネットを使っているユーザーからすれば、友人のお勧めは検索お勧めを上回るほどの魅力があるのでしょう。
「私ならこう考える」だけではなく、この属性の人ならこう考えるであろうという発想は大事ですよね。
フェイスブックの有効活用法
前半にセミナーを行っていた松尾茂起氏は、ソーシャルメディアの中でもTwitterを特にお勧めすると仰っていましたが、後半の講師の伊藤氏は、フェイスブックをお勧めすると仰っており、実際にフェイスブックの成功例を上げておられました。
もちろん、フェイスブックだけやっておけば良いわけではなく「Facebook、Twitter、YouTube」の3つのアカウントは取っておくべきだと仰っていました。
仮想の人格を作り上げ人気を得た伊藤ハム
「ハム係長」なる謎の人物がハムに関係のあることもないことも書いていっています。
ハム係長の凄いところはコメントに必ずレスしているところですね。
お客様との距離を縮める戦略でしょうか。
コメントやlikeの数も稼げるでしょうし、戦略の一つとして良いと思います。
今、記事を書きながらなんとなく、眺めてみたらリンクベイトというか、コメントベイトといおうか、いいね!ベイトもやってらっしゃいますねー。
実はいま“しりとり”がマイブームなんです。
ぜひ、facebookで皆さんと『しりとり』がやってみたいので、この週末に参戦してくださいませ!!
お題は『食べ物』ですよ。
では、わたくしから初めは「伊藤ハム」の⇒「む」
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=394073553964580&set=a.196142167091054.40771.189777477727523&type=1
これで200以上のいいねと300以上のコメントを獲得なさっています。
しりとりなんて、20世紀のBBS荒らしの手法だと思っていたのですが、こんな使い方もあるんですね。
目からうろこでした。
美しい写真やクイズなどで楽しめるANA
ANAでは上空から撮影した美しい写真や、ジャンボジェット機の大きな写真を公開することにより、大量のコメントやいいねを獲得しています。
【空から見える景色クイズ ~中級編~】
飛行機に乗ったとき、窓から見える景色に釘付けになったことはありませんか?そんな空から見える景色をご紹介します♪
さて、ここはどこでしょう?
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=359300134117237&set=a.147462221967697.24339.143718759008710&type=1
また、上空から撮影した写真をクイズ形式にして、この写真はどこを撮影した写真でしょうかといった記事を投入し、それに対するコメントも伸びております。
あの手この手でコメントといいねベイトを考えるものですなー。
とことん顔出し名前出しのJAL
こちらは正統派な使い方ともいえるでしょう。
スタッフの顔と名前をどんどん出していって、サービスの案内や業務の解説を行っています。
http://www.facebook.com/jal.japan
情熱を持って正直に、かつ、継続的に、長期思考で実践する
どのフェイスブックページも、元々有名な大企業のものだという前提があるとはいえ、コンテンツ的に人気が出そうな工夫がされていることがわかりました。
お客さまに共感してもらえるコンテンツを作ることは本当に重要だと思います。
それはフェイスブックだろうが、ウェブサイトであろうが、ツイッターであろうが変わりません。
そう考えると、集客のアプローチが少し違うだけで、SEOもソーシャルも、やるべきことは変わらないとも言えると思いました。
継続的に行うというのは非常に大変で、当ブログも開設してまだ5ヶ月ほどですが、継続の大変さは身に染みています。
長期思考と言うのも大事で、何も考えずに行き当たりばったりでやっていても意味がないので、半年後1年後どうなりたいかを考えながら実践していく必要がありますね。
一つ引っ掛かった点
フェイスブックの有効活用方法や面白さ、可能性を新たに勉強できた素晴らしい内容だったのですが、1つ腑に落ちない点が。
スクリーンに大きく訪問数のデータを出して、Facebook経由が26.4%、Googleは3.62%等という数値を表示し、「Facebookは凄いんだよ」といった感じのお話だったんですが、一体どんなサイトだとそのような数値になるのでしょうか。
Facebookでキャンペーンを大々的に行ってペラなコンバージョンページに流入させているのか、Googleのクローラーが迷いまくるような欠陥ページであるとかしない限り、思いあたらないです。
と思って、数値をググって見たら出来たので、おそらく、これのことでしょう。
引用:http://blog.shareaholic.com/2012/01/pinterest-referral-traffic/
これ、確かにGoogleが3.62%となっていますが、これってリファーラルですよね。
リファーラルは紹介トラフィックで、検索経由の訪問者はカウントされません。
伊藤氏はソーシャルがメインの方で、「検索エンジンもないがしろにはできませんが、ソーシャルが凄いですよ」というスタンスの方とお見受けしましたが、このデータを出すのはフェアじゃないなぁと。
私はSEO寄りな人間なのですが、「インターネットを活用したい」に応えるセミナーの参加者はみんながみんなSEOやウェブマーケティングの専門家というわけではなく、むしろ私のような参加者は対象者ではない、一般の方向けのセミナーです。
なんとかインターネットを活用したいと思っている事業者の方が、セミナーでこのデータを見たら、「検索エンジンよりFacebook経由のほうがアクセスが多い」となるようなミスリードを誘っているように感じました。
引用:http://blog.shareaholic.com/2012/03/pinterest-referral-traffic-2/
出すならこっちのデータのほうが現実的じゃないかなと思いました。
セミナーの時間が押していたせいで説明が不足して誤解を与えやすくなっていただけかもしれませんし、私があっけにとられて聞き逃して頂けかもしれませんので、ご指摘などございましたら、即時修正致します。
まとめ
FacebookとGoogle検索の比較のデータが、ミスリードを引き起こしかねないところが気になりましたが、Facebookの可能性を感じさせてくれる大変為になるセミナーでした。
1時間という短い時間の間に、様々な事例を盛り込んだわかりやすい例を上げていただき、私自身様々なヒントを得ることが出来ました。
私はSEOブログを書いていますが、なぜSEOが必要かというと「アクセスを増やしたい」「売り上げを増やしたい」という思いがあるからです。
今回、伊藤氏のセミナーで得たひらめきは、フェイスブックに留まらず、Twitter、Google+、ウェブサイト全てに通じる貴重な知識です。
スピーチも非常に引きこまれる内容で、実に良い勉強をさせて頂きました。
ありがとうございました。
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SMO(ソーシャルメディア最適化)の必要性とその利点
松尾さんのセミナーの流れで拝見させて頂きました。
SEOとソーシャルのセミナーは豪華ですね。
そして、記事を見ていて、データの出し方、それによってセミナーの内容の信頼度にまで影響があるんだな、と思いました。
僕も樋口さんもSEOの情報をブログで配信していますが、少なくともデータを使う場合は参照元や、その見せ方について気を付けなければいけないな、と改めて思った次第です。
ただ、セミナーは非常に面白かったみたいで、羨ましいです^^
レポートをアップして頂きましてありがとうございました。
大変面白かったです。
各講師1時間づつの短いセミナーだったのですが、ぎゅっと濃縮された濃いセミナーでした。
データの取り扱いに限らず、誤解を招きかねない内容になりそうな場合は注意が必要ですね。
戦略的に釣り的な内容で攻めるのもアリなのかもしれませんが、長期的な視点で考えるとやはり煽りや炎上狙いは難しいのではないかと思っています。