Googleアナリティクスの流入キーワードを眺めていると、定期的にアクセスがあるお悩み系のキーワードに、「ホームページを作り替えたらアクセスが減ってしまった」というものがあります。

SEOを意識したリニューアルを行えばアクセスを減らす事はほとんどないはずですが、全く考えなしに作り変えてしまうと、今までの積み上げて来た評価を台無しにしてしまう、めちゃくちゃなリニューアルになってしまうことが考えられます。

アクセスが激減し、衝撃を受ける黒木凛紅のイラスト

今回の記事では、ウェブサイトをリニューアルする際に意識しておきたいポイントを解説いたします。

ご自身でリニューアル作業を行うのではなく、Web制作会社に依頼する際にも、業者が一定のSEOの知識を持って取り組んでくれるのか判断する基準にもなるかと思います。

サイトリニューアルの際に気をつけたいポイント

意味のないURLの変更を極力行わない

ありがちなミスとして、リニューアルの際に下層ページのURLまで無意味にリニューアルされてしまっているというものがあります。

トップページのURLは変わらないと思いますが、下層ページのURLを
http://example.jp/seo1.html → http://example.jp/how-to-seo.html
といった感じで、URLまでリニューアルしてしまうことです。

seo1.htmlよりもhow-to-seo.html のほうが検索エンジンに最適化された形式でもありますし、ユーザーから見てもわかりやすいURLになってはいるのですが、http://example.jp/seo1.html にアクセスした際に404エラーが返ってくる場合、問題が発生しているといえます。

問題となる理由

http://example.jp/seo1.html が今までに獲得しているリンクが台無しになります。

見栄えやURLの最適化を目的としたリニューアルを行いたい場合は、変更した対象のページへ301リダイレクトを設定しましょう。

URLを変更する際には、適切に301リダイレクトの処理を行う

URLを変更を行いたい理由は

  • コンテンツの内容がわかりやすいURLに変更したい
  • 複数のページを1つのページにまとめたい

といったところでしょうか。

例えばseo1.htmlからhow-to-seo.htmlに変更した際には、seo1.html→how-to-seo.htmlへ301リダイレクトを行います。

いくつかのページを1つのページにまとめた際には、seo1.html,seo2.html,seo3htmlそれぞれから、まとめたページへ301リダイレクトを行います。

301リダイレクトを施す際にありがちなミスの1つに、古くなった(使わなくなった)ページからトップページへと301リダイレクトを向けるというものがあります。

旧URLから全てをトップに向けるのではなく、必ず対応した新ページヘの301リダイレクトを行いましょう。

リニューアルの際にページの統合にも用いられなかった不要なページは301リダイレクトを行うのではなく、普通にページを削除して404エラーが返るようにします。

ただし、使わなくなったページとは言え、外部からリンクを獲得している場合は、そのページを使えるようなページに作り変えて再利用することも戦術の一つとしてお薦めいたします。

WordPressを用いている場合はプラグインで簡単に301リダイレクトの設定が可能になっています。

htmlで作られたサイトを順位を落とさずにWordPressに変更するWordPressでRedirectionプラグインを使いURLをリダイレクトさせる方法の記事を参考にしてください。

ただし、301リダイレクトを行なっても、通常リンクと同じく2割程度のPageRankが消滅すると考えられます。

URLをリダイレクトすることにより、PageRankがいくらか減るデメリットを超えるメリットが見出だせる場合に用いるようにするといいでしょう。

タイトルタグの無意味な変更は行わない

今まで検索ランキングで成果が出ていたタイトルタグを、リニューアルの際におかしく変更してしまうと、今まで高順位だったのに検索順位が落ちてしまう可能性があります。

タイトルタグは検索順位を決める要因の中でも、最も重要度の高いものですので、制作会社にリニューアルを依頼する際には、タイトルタグを勝手に変更しないように指示しておくといいでしょう。

タイトルタグを調整して、更に検索順位向上を狙いたい場合は、タイトルタグの最適化 | 定期的なメンテナンスで微調整の記事を参考にしてください。

すでに成果の出ているリンク構造を考えなしに変更しない

一般的に、トップページ→カテゴリーページ→下層ページといった構造になっているかと思われます。

サイトによってはトップページ→下層ページになっていることもあるでしょう。

成果が出ているサイトの場合、それらのリンク構造により、上流から下流までPageRankが上手に流れるように設計されています。

特に意識せずにサイトを構成した場合でも、たまたまそれらがうまく流れるようになっていたという場合も珍しくありません。

うまくいっているリンク構造は極力変更しないほうがいいでしょう。

もちろん、リニューアルの際に最適化されていないリンク構造を最適化することはプラスになりますので、しっかりと理解して取り組むようにしてください。

リンク構造を一部最適化さえたことによるアクセスの増加事例はコンテンツにコツコツと追記を行ったサイトのアクセス倍増事例をご覧ください。

なお、上記の記事を書いた時点ではアクセスが倍増でしたが、2013年5月30日の段階では3倍以上に増加しています。

出来る限りコンテンツの内容が伝わりやすいような仕様を意識する

よくある笑い話(?)で、サイトをフルFlashにリニューアルさせたことにより、アクセスが激減するというものがあります。

さすがに今の時代にそのようなリニューアル案を持ちかける制作業者は少ないとは思いますが、コンテンツの重要な部分の多くが画像になっているというミスは今でも比較的よく見かけます。

コンテンツ部分を画像にするのなら、せめて画像のalt属性を正しく記述するべきですし、そもそも、本当に画像でなければダメなのか というところもしっかりと理解しておきたいところです。

リニューアルを行う際には極力、マイナスの影響を受けないように意識する必要がありますし、制作会社に依頼する際には、最低限のSEOの知識は持っている業者を選ぶようにしましょう。

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