先日、大阪の十三で開催された住太陽さんのセミナー、Webクリエイターに足りない、本当のSEOスキルを聞きにいってきました。
以前に岡山で開催された同名のセミナーと同じテーマで語られたのですが、詳しく解説される項目の時間配分はかなり変更されており、以前に岡山で開催された際に参加していた私でも、別のセミナーのような気持ちで聞くことができました。
94名の方が参加したそうで、会場は大盛況でした。
セミナーの大まかな内容の感想については、岡山で開催された住太陽氏のセミナー「Webクリエイターに足りない、本当のSEOスキル」の感想の記事に載せていますので、そちらの記事を参考にしてください。
制作者向けのセミナーということではありましたが、制作者のみならず、ウェブサイトを活用したいと考えている全ての方にお薦めできる素晴らしい内容のものでした。
今回は大阪版のセミナーで私が再確認した重要なポイントを自分の状況に照らしあわせて考えて行きたいと思います。
Webクリエイターに足りない、本当のSEOスキル
- 制作は完全に自動化、内製化の流れにある
- 単一キーワードでの上位表示よりも、そこそこの順位のページを沢山集める
- SEOの強みとその価値
- SEOとセリングの両立
- 広告をクリックせよ
- PPCの価格に怯むな
- SEOは無料。買ってもらわなくていい
- 突出したコンテンツの作り方
- いまFacebook広告が熱い
- 過去、現在、未来のクライアントに向けた情報発信
- ターゲットに最適化したコンテンツを作る
- 自力解決を目指すユーザーにとって検索順位は重要ではない
- 情報サイトを作って成功した事例
- 住太陽氏、お勧めの書籍
- セミナーまとめ
制作は完全に自動化、内製化の流れにある
まず、制作は完全に自動化、内製化の流れにある事を解説して頂きました。
私は制作側の人間ではありませんので、知り合いの制作側の方々が倒産、夜逃げすることもなく生活されているのを見て、内製化の流れというのはゆるやかな流れのようなものだと漠然と考えていました。
しかし現実では、ものすごい早さで内製化の方向へ加速しているとのことでした。
住さんが商工会議所などが主催する商売に非常に熱心な中小企業の社長の集まりのような場でセミナーを行うと、ごく当たり前のように「ランサーズ」などで必要な物を安く集めるといったことは、ごく当たり前にやられているそうです。
「所詮ランサーズでの安物の作業」という印象をお持ちの方も多いと思いますし、それらの制作物より優れた物を作られている自負もお持ちかとは思いますが、お客様の立場で費用対効果を考えてみると、ランサーズがいかに脅威なのか見えてきそうです。
私がやっている商売は制作ではなくSEOですが、SEOという分野で考えてみても、内製化への流れは変えられません。
先日、1回500円でSEOの相談に乗るといったサービスを見かけました。
誰がやっているのかもよくわかりませんし、所詮500円の仕事なのだろうと私は思うわけですが、お客様の立場にたつと安くて問題が解決出来るのならばそれに越したことはなさそうです。
私は、1回500円の相談の何十倍という料金を頂いて仕事をするわけですから、それらの格安のサービスに対抗するだけの付加価値を持つ必要があり、完全に差別化に成功しなければ潰れる運命にあります。
単一キーワードでの上位表示よりも、そこそこの順位のページを沢山集める
いかに検索回数の多いキーワードで上位表示させたところで、検索全体から見ると、そのキーワードの占めるインパクトは非常に小さいものです。
重要なのは、どのキーワードで上位表示させるかではなく、そこそこの順位のページをいかに沢山集めるかになります。
これは、当ブログでも実践しています。テクニック的に解説すると、ロングテールSEOと呼ばれるものです。
ページを沢山公開することにより、コンテンツの中から細かな複合キーワードが勝手に組み合わされて、自然検索のトラフィックを得るという考え方です。
ロングテール云々のテクニックは無視しても構いません。
重要なことは、検索者が必要とするようなコンテンツを用意することです。
当ブログの流入キーワードを見ても、需要のあるビッグキーワードというものでは上位表示されていません。
上位表示されているキーワードで最もローカル月間検索回数が多いものでも90,000件程度のミドルキーワードです。
そこそこの単一キーワードで上位表示させたところで、月間の検索数は大したものではなく、検索経由の流入の大半は大量に存在しているそこそこの順位のページから成り立っています。
単一キーワードで上位表示させることにより、とても儲かるキーワードがあるのなら、狙ってみるのはいいかと思いますが、儲かるキーワードでの上位表示はとても難しいです。
儲かりそう→狙う→無理だった→諦める or スパムに走る となっても虚しいだけです。
確実にアクセスが集められる方法をとっていき、長い期間が経って初めてビッグキーワードでの上位表示が(たまたま)達成されるというのが通常の流れではないかと思います。
SEOの強みとその価値
SEOの強みとその価値を理解してもらうというのが、このセミナーの最も重要なポイントかと思います。
そもそも、インターネットで検索を行なっている人は、通常、調べ物をするために検索エンジンを利用しています。
つまり、検索している人の大半は、「買い物をしよう」「ホームページを作ってもらおう」「SEOコンサルタントに申し込もう」とは思っていません。
買う気がない人が大半なのですから、「安くて早いSEOサービス」といったページを作ったところで、問い合わせがほとんどないのも当然の話です。
SEOの強みというと、買う気が一切ない客に、自サイトの存在を知ってもらえることにあります。
住太陽さんは今でこそSEOコンサルティングの新規受付を再開されていますが、つい最近まで、SEOの新規案件は全てお断りしますとページに明記されていました。
お断りしますと書かれていたにも関わらず、住さんのサイトで何度も問題を解決した人が、「どうしても住さんの助けを借りたい」と連絡を取ってくる方が何名もいらっしゃったようです。
また、当ブログでも、「SEOのコンサルやります!料金は10万円!」といったページは作成していませんが、ちょくちょくとお問い合わせフォームから連絡を頂いています。
役に立つ情報を公開することによって、サイトに何度も足を運んで頂き、本当に困ったときにお問い合わせを頂くという導線を作る事ができるのがSEOの強みです。
そして、一度作成したコンテンツは、自分で消さない限り、恒久的に存在し続けます。
SEOの効果というものは一過性のものではなく、恒久的に続くものです。
私のブログは2012年の1月から初めた新参SEOブログですが、たった15ヶ月やっただけで、体感出来るほどに効果を上げています。
SEOとセリングの両立
SEOとは検索者の文脈に合わせたコンテンツを作成することです。
対してセリングは、売り込みのページのことです。
「アクセスを増やすのではなく、売り上げにつながるアクセスがSEOでは重要」といわれることは多いですが、これは多くの場合、セリングページに対して使われていることかと思います。
しかし、落とし穴があります。
SEOとセリングは両立が非常に難しいのです。
セリングには売ることに最適化されたランディングページが必要です。
しかし、売ることに最適化されたランディングページは、検索者の問題を解決するコンテンツとはとてもいえないものになることが多いです。つまりSEOに弱くなります。
逆にセリングページに検索者の文脈に合わせた問題解決等のコンテンツを組み込んでいくと、今度はコンバージョン率がどんどん低下していきます。
コストを掛けてSEOとセリングを両立させようとしても中途半端になることが非常に多いので、SEOのコンテンツとセリングのコンテンツは分けて考えることが大事になるでしょう。
当ブログでは今のところ、バリバリのセリングページは用意せず、SEOとちょっとした導線でやっています。
いずれは、カッチリとしたランディングページも作成して、PPCを出稿してみたいとは思っています。
広告をクリックせよ
検索結果に出る広告は、片っ端からクリックして確認するのも仕事の一つだとおっしゃっていました。
PPCはやってみてうまく行かなかったらいつでも停止することができます。
広告を出稿している(出稿を停止させていない)ということは、儲かっている可能性が高いわけです。
私ももっと広告を意識して見るべきだと思いました。
PPCの価格に怯むな
分野にもよりますが、広告費は1クリック100円だとか200円だとかもっと掛かることも珍しくありませんが、その料金になるということは、そのキーワードにそれだけの値打ちがあるということです。
この価格に怯んでしまうようだと、自分の作ったページに1クリックn円の価値がないと認めてしまうことと同じなので、もっとプライドを持ったページを作成しろとのことでした。
SEOは無料。買ってもらわなくていい
SEOは簡単です。
検索者の役に立つコンテンツを作り続けて、露出するだけでいいからです。
セリングページとは違い、ユーザーに「ほんまかいな」と構えて見られることも少なくなりますし、ユーザーも無料で価値のある情報を得らることができるので、気に入ったら何度も来訪していただくことができます。
売り込む必要はなく、自分のコンテンツを検索者の役に立ててもらい、信頼度を蓄積していけばいいだけですので実にシンプルです。
ついでにソーシャルで拡散してもらったり、ブログなどでリンクを貰えればいうことなしですが、あくまでそれは本当にうまく事が進んだ場合の結果であって、主な目的ではありません。
今回の住さんのセミナーの懇親会で色んな方と名刺交換をさせて頂きましたが、何名かの方に「ブログ見たことがあります」とおっしゃって頂けました。
当ブログでは、コンテンツを作り続けて露出するという試みを、ある程度うまく達成できている事を再確認できました。
突出したコンテンツの作り方
SEOにおいて肝となってくる部分は、突出したコンテンツを作成する事です。
「美しいページ」や「面白いページ」を作ることは非常に難しいですが、芸術的なページや面白いページだけが突出したコンテンツというわけではありません。
「詳しい」「丁寧」「正確」であるならば、誰でも努力次第で作ることができます。
その道のプロが詳しく丁寧で正確なコンテンツを情熱を持って作成すれば、突出したコンテンツが生まれます。
私はコンテンツを作成する際に、競合サイトよりも詳しく記述しているかということは特に意識しているつもりです。
もちろん、私の作るコンテンツが最も優れていると思い上がっているわけではありませんが、自分が出来るレベルで精一杯やってはいます。
逆にいうと、私程度の人間でもそれなりにやっている(と自分では思っています)のですから、皆さんにも簡単に出来る事なんです。
いまFacebook広告が熱い
住さんの中で、今、Facebookが熱いとおっしゃっていました。
自分のブログでRSS購読者を増やすことは簡単なことではありません。
しかし、Facebook広告はRSS購読者と似たような状況を、金で買うことができるとのことです。
私は恥ずかしながら、Facebook広告を一度も使ったことがありませんので、いずれはそれなりに使いこなせるように研究していくことが必要だと感じました。
住さんにFacebook広告を用いた成功事例をお話頂いたのですが、残念な事にオフレコ(ソーシャルやらブログで書かないで)とのことでしたので、次回以降のセミナーに参加した方は、お話を聞くことができるかもしれません。(できるかどうか知りませんので、もしセミナー中に話がでなかったら懇親会で直接聞いてみてください)
過去、現在、未来のクライアントに向けた情報発信
情報発信する内容は、過去のクライアント、現在のクライアント、未来のクライアントに向けた情報を発信していくといいとのことでした。
過去に行ったアドバイスを載せるのもでもいいそうです。
役に立つ情報ならなんでも載せてしまうといいでしょう。
私も自然とできている点もあれば、もっと意識して上手にできそうな点もありそうに感じました。
良い方向に出来そうなものはなんでも取り入れていきたいと思いました。
ターゲットに最適化したコンテンツを作る
潜在客、見込み客、利用客、顧客、得意客。
それぞれ、必要とされるコンテンツは全て異なります。
全てニーズが異なりますので、1つだけを対象にしたコンテンツばかりにならないように注意する必要があるでしょう。
当ブログの場合、「SEOコンサルタントを探している」という人に最適化したページが存在しておりませんので、いずれは作ろうかと思いますが、なくても何とかなっているので、まだしばらくは、「無料で色々な問題が解決できるサイト」の方向に注力していきたいと思います。
自力解決を目指すユーザーにとって検索順位は重要ではない
問題を解決できるコンテンツを作ることさえ出来れば、検索順位はあまり意識する必要はありません。
本気で問題を解決しようと考えているユーザーは、解決案を見つけるまで熱心に検索を繰り返します。
1ページ目に解決できるコンテンツが見当たらなければ、2ページ目、3ページ目も見るでしょう。
将来的に優良な顧客になる可能性がある、熱心な潜在客は少々順位が低くても、答えを見つけるまで探し続けてくれます。
そのような良い潜在客を釣り上げるには、フックとなる突出したコンテンツがあればよく、検索順位は上であるに越したことはありませんが、少々後ろのページにあるからといって悲観する必要はありません。
例えば、当ブログは「SEO」というキーワードで上位表示されてはいませんが、「SEO」について調べていくうちにわからない単語や、解決方法がわからない場合に再検索された時に、当ブログの記事はヒットするわけです。
需要の高いキーワードで上位表示されていれば、効率はいいですが、されていないかったとしても、検索者にとってどうしても必要なコンテンツを用意しておけば、どこからか必ずアクセスして頂けるというものです。
大事な事はコンテンツを作ることなんです。
情報サイトを作って成功した事例
情報サイトを作って大成功されたのが、今回のセミナーの主催者のフォルトゥナの坂本さんです。
今回は坂本さんに直接、成功事例を教えて頂きました。
坂本さんは、住さんに情報サイトを作って見ることをお薦めされ、半信半疑でドメインとサーバーとMovableTypeのテンプレートを用意して、80ページほどのサイトを作られました。
「ウェブサイトのデザイン」では範囲が広すぎるということで、テーマをウェブサイトの配色まで絞込まれたそうです。
コンテンツを作ることにより、講演依頼や仕事がくるようになったとおっしゃっていました。
当時はTwitterなどがなかったため、なかなか露出させるのが大変でしたが、TwitterやFacebook等のSNSが存在する今のほうが簡単なのかもしれないとおっしゃっていました。
私もSEOブログだけではなく、範囲を狭めた情報サイトを作る必要があると再確認しました。
いつになるかはわかりませんが、やるやる詐欺にならないように、徐々に構想を練っていこうと思いました。
住太陽氏、お勧めの書籍
セミナーの最初に、住さんも一部担当された、現場のプロがやさしく書いた Webサイト運営・プロデュースの教科書の本が紹介されました。
9人の方が幅広い分野について書いている、とても興味深い本です。
住さん曰く、WEBライダーの松尾さんの書かれたパートが特に面白かったそうです。
それと、もう一冊のお勧めの書籍は、セミナー最後の質疑応答で参加者の方が質問された、住さんお勧めの書籍である、カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~です。
私も2冊とも購入して、しっかり学びたいと思います。
セミナーまとめ
岡山と同じテーマで語られた今回のセミナーですが、大幅に解説される箇所は変わっており、岡山に参加した私でも新鮮な気持ちで聞くことが出来ましたので、本当に参加して良かったと感じました。
大事な事はセミナーを聞くことではなく、得た内容を実践することです。
ちゃんと自サイトで実践すれば、必ず効果が出て幸せになることができます。
そんなSEOいつやるの?→ずっと昔からやっとけ
というお話でしたが、もし、今までおざなりにされていた方がいらっしゃいましたら、今すぐ手を付けることをお薦めします。
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