ウェブサイトのリニューアルの際、正しい方法で行わないと今まで築いてきた評価が台無しになり、検索ランキングの降下が認められることがあります。

通常、大幅リニューアルを行う理由は、デザイン向上や機能追加、ユーザービリティ向上のためだと思います。

便利な機能を追加したり、ユーザーの使いやすいUIに変更することはとても大事なことですが、せっかくですので、検索エンジンのことも考慮してリニューアルにあたりましょう。

htmlで作られたサイトからCMSに正しい移転を行う先生のイラストです。
(画像の引用、転載について)

マイナス評価を受けないリニューアルを行うことも、SEOの大事な作業です。

今回は、htmlサイトからWordPressへ移転させた事例を元に大事なポイントを解説していきます。

今回のリニューアル事例

htmlで作成され2年ほど運営されていたサイトをWordPressでのCMS化を請け負いました。

検索エンジンからの評価は、ざっとキーワードを調べて判断したところ、比較的高評価だと思いました。

ウェブマスターツールでバックリンクを確認したところ、様々なブログやサイト、中には自治体からのナチュラルリンクもありましたので、まともなサイトであることが伺い知れます。

インデックス数は400超で全てが手作りのオリジナルコンテンツとなっています。

今回、htmlからWordPressに移行させることとなったのですが、その理由として、管理のしやすさを向上させたいというのがありました。

  • 記事の追加、更新が容易
  • かゆいところに手が届くプラグインが豊富

400ページを超えるhtmlファイルで構成されていましたので、例えばデザインを1箇所変更しようと思うと、それに伴い全ページ手動で修正する必要があり、それだけで数日仕事になることがネックとのことでした。

リニューアルの流れ

  1. 全ファイルのバックアップ
  2. WordPressのインストールとプラグイン導入と細かな設定
  3. データの移行

全ファイルのバックアップ

まずは、Filezillaを使いサーバー上に存在するファイルを全てダウンロードしました。

手違いで消滅させたり、パソコンがクラッシュするような最悪のリスクを考え、全てのファイルはzip化させクラウドにもアップロードしておきました。

このバックアップは非常に重要で、今回のリニューアルでは単純なhtmlサイト→WordPressに変更する作業以外にも、ページランクが行き渡りにくいと思われるページやユーザーが回遊しやすくなるような構造の変更も行いますので、何らかのトラブルで検索ランキングが急降下するリスクが頭によぎったからです。

もちろん、より良くなると思われる正しい方法で実装しますので、普通はトラブルは起こらないと思うのですが、念には念を入れるということです。

WordPressのインストールとプラグイン導入と細かな設定

導入したプラグインはWordPressインストール直後に入れておきたい21個のプラグインの記事でご紹介しているプラグインと大体同じですが、不要だと判断したものは省いています。

今回の重要な設定は、パーマリンク設定になります。

パーマリンクを変更し、.htmlのURLを使えるようにするための設定解説画像

[設定]→[パーマリンク設定]と進み、カスタム構造を選択し、/%postname%.html と設定しました。

今回はすでに数年にわたって運用されているサイトのリニューアル作業となりますので、基本的に各ページのURLは変更しないようにしたいからです。

カテゴリ構造の変更

カテゴリ構造の変更させるため、統合されたりURLが変更されるアドレスも多少はあるのですが、そちらはリディレクションというプラグインを使い301リダイレクトで新しいURLに移動するようにしてあります。

カテゴリ構造はユーザーが検索エンジン経由でどのページに訪れたとしても次にクリックすべきリンクを見付けやすいようにデザインしました。

どのコンテンツへも3クリック以内に到達できるようになっています。

小手先系テクニックとしては、WordPressが生成するcategoryやアーカイブページは利用せずnoindex followで。

それとは別にリーズナブルサーファーモデルを意識して、画面上部のナビゲーションバーへ固定ページを利用し重要なカテゴリを作成しております。

それとは別にユーザーがアクセスしやすく分かりやすいナビゲーションをサイドバーにも配置しました。

データの移行

ホームページビルダーを独学で勉強しサイトを運営されていた方で、<hn>タグやリストタグなど、サイトの構造を検索エンジンにもユーザーにもわかりやすく伝える方法をご存知なかったようでしたので、データの移転ついでに、サイト内容の手直しも行って頂きました。

全ページのデータを触る機会はなかなかありませんので、これをいい機会だと考え、構造をわかりやすくしたり、コンテンツに更なる内容を盛りながら移転作業を行って頂きました。

ここで重要なのは、WordPressに移行させた記事のURLは過去に使っていたURLと同じものにするということです。

これにより、今まで外部のサイトからもらっていたナチュラルリンクを一切無駄にすることがなくなります。

統合などでどうしてもアドレスが変更されてしまう場合、必ず301リダイレクトを行いましょう。

htmlからWordPress化のまとめ

しっかりとSEOのセオリーを守りリニューアルすれば、検索順位の低下は起こらないのが普通だと思います。

今回はリニューアルのついでに構造の見直しとコンテンツの底上げ作業も行っておりますので、今後、今まで以上にアクセスが増えていくと思われます。

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