グーグルのガイドラインに違反する施策を行っていなくても、今まで順調であった順位が一気に降下し、アクセスが激減することがあります。

アルゴリズムが変わったのか、フィルターに引っかかったのか、もしくは手動でペナルティを食らったのか。

検索順位が低下するとはいっても様々な要因が考えられます。

  • アルゴリズムの変化
  • フィルター
  • ペナルティ
  • サイトの評価が下がった、もしくは、適正な評価になった(今までが過大評価を受けていた)
  • ライバルサイトの順位が上がった

私の管理している一つの糞ブログを例にフィルターの発動条件を考えて行きたいと思います。

2015年4月6日追記:Googleハネムーンとよく似た挙動を引き起こすアルゴリズムは存在すると公式で公言されています。新しいコンテンツに検索ユーザーが興味を持つか調べるために一時的に上位表示させる機能のようです。

なぜ順位が下降してしまうのか

順位が下降したからといって、すぐに「ペナルティになった」「ペナった」等と言うのはちょっと待ってください。

よほど悪質なスパム的な手法を行わない限り、ペナルティになることはほとんどないと思います。

特にホワイトハットな手法でロングテール集客をメインで運営しているサイトがペナルティを食らうことはほぼないでしょう。

ペナルティとフィルター違い

人によってペナルティとフィルターの境界線は曖昧であったり、同じ物として扱っている人もいらっしゃいますので混乱してしまうかもしれませんが、ホワイトハットジャパンなりの考えを述べさせて頂きます。

色々なSEOブログを見ても人それぞれフィルター、ペナルティーのイメージの仕方が違いますので、各ブログの文脈でどれについて語られているか判断するといいでしょう。

ペナルティとは

悪質な施策を行ったことがライバルサイトからの密告や、アルゴリズムのレーダーのようなものに引っかかったことにより、Googleウェブスパムチームが捜査開始。
そして、捜査の結果黒だった場合、Googleウェブスパムチームから警告が届くと共に、検索ランキングから大幅に順位下落、もしくは、インデックスが削除されます。

私はペナルティを頂いたことがありませんし、警告も届いたことがありませんが。

ペンギンアップデートパンダアップデートなど、警告が来ない、アルゴリズムの自動ペナルティもあります。

フィルターとは

こちらはアルゴリズムが自動で判断して、ドメイン全体の順位を低下させたりします。
有名どころのフィルターに、「グーグルハネムーン」や「エイジングフィルター」というものが知られています。

ホワイトハットジャパンの見解でしかありませんが、Googleハネムーンやエイジングフィルターは、現在は存在しない、もしくは、存在したとしても気にするほどには及ばない、極めてわずかな影響しかないと考えています。

実際、後でアクセス解析の画像を貼りますが、開設して数ヶ月のサイトでもアクセスを伸ばしていったサイトがありますし、最近私が請けた案件でも、運営3ヶ月目になりますが、まさに右肩上がりでアクセスは増えていますので、Googleハネムーンやエイジングフィルターは気にしないでいいでしょう。

他には、新規ドメイン(新規開設サイト)に急激にバックリンクが集まるとフィルターが発動して、一時的に順位が下がるとか、低品質なページを多数作るとフィルターが発動して他の健全な記事まで足を引っ張られて順位を落とすとも言われています。

また、低品質なサイト(重度のフィルターや、ペナルティを受けている)にリンクを張ることにより、リンクを張ったサイトの順位も落ちることもあるようです。

まぁ、わかりやすく説明すると、ペナルティは目視が入って人の手で行う順位の下落。

フィルターはアルゴリズムで自動的に行われる一時的な順位の下落だと考えています。

自動ペナルティ、アルゴリズムペナルティと呼んでらっしゃる方もいらっしゃいますし、同じようなものだと考えてください。

ただ、悪意ない施策でも順位が下がることもありますので、ペナルティだとネガティブすぎるイメージがありますので、それより幾分やわらかい印象のフィルターという呼び方をしています。

2015年4月6日追記:個人的な話ではありますが、現在では、アルゴリズムによって理不尽な順位低下を受けている状態を自動ペナルティと呼んでいます。エイジングフィルターを除いて、フィルターと言う使い方はあまりしていませんね。

追記:Googleハネムーンやエイジングフィルタについての記事を追記しました。

エイジングフィルターが解除された新規ドメインの検索経由のアクセス数

事例1:謎のフィルターに捕捉され、長期間順位が低下(ヨーヨー現象)

ヨーヨー現象を引き起こしていると見られるアクセス解析画面

GoogleAnalyticsのアクセス解析データの画像を用意してみました。
画像はクリックして拡大してご覧下さい。

このブログはいわゆるヨーヨー現象と呼ばれるパターンでアクセスが乱高下しているサイトです。

サイトの特徴

  • 全てオリジナルコンテンツ
  • ほとんどがゴミのような内容の記事(ゲーム日記や個人日記など)
  • 3行程度で終るような糞記事も多数
  • 時々人の役に立つも書いている
  • アフィリエイトはmore直下にAdsenseを貼っている
  • 時々レビュー記事を書くのでAmazonのアフィリエイトを貼る事もあるが稀
  • 特定のキーワードの順位が落ちているわけではなく、ドメイン全体のキーワードの順位が落ちてる

このブログは私が長年書いている(書かないときは半年くらい放置したりもする。今では数年放置しています)備忘録というか、個人日記のようなサイトです。

何かを発信したくて頑張っているブログではなく、時々昔の自分を見てみたい時に読み返すと顔が赤くなうようなノスタルジィに浸る為に書いているいわゆる自己満足日記です。

価値があるブログだとははなから思っていませんし、ブログの内容の割りに検索エンジンに過小評価されているとも全く思っていません。

1日のPV(ページビュー)は15~45程度の、本当の雑魚ブログですが、アクセスのほとんどが5つくらいのたまたま拾った優良キーワードだったので、フィルターに捕捉されると数値上でわかりやすくでます。
(ちなみにたまたま拾った優良キーワードはコンバージョン率も高く、15-45アクセスの過疎ブログではありますが、月に千円以上のアフィリエイト報酬になっていますので、ドメイン代の元は取れています)

このブログは個人のログを思い出として残すという目的と、SEOの研究、実験等の目的として運用をしています。

実験とはいっても、別にブラックハットな実験などを行っているわけではなく、がちがちに内部施策にこだわったブログというわけではないという意味で、現在は最低限のプラグインを入れて通常のブログとして運行しています。

さて、アクセス解析を見ていただくと理解してもらえるかと思いますが、たまたま拾ったキーワードで検索経由の訪問者が増えています。

そして、順位が落ちるときは特定のキーワードだけが落ちるわけではなく、全く別のアクセスのあったキーワードも見当たらなくなります。

明らかにサイト単位でアルゴリズムの影響を受けているということがわかります。

フィルター1回目

しかし、2011年の6/23に突然フィルターに捕捉され、7/18にフィルターが解除されるまで、アクセスは0に近いような状態になりました。

「今まで検索上位だったのが不思議だったのだな」と考え、特に何の施策もしませんでしたが、1ヶ月弱待つと勝手にアクセスが回復しました。

そして、その後、ほとんど無改造だったMTからWordPressに乗り換えたところ、記事は更新していないのに更にアクセスが増加しました。

これは、MTでうまい具合にクローリングされていなかったか、インストールした直後の状態では信じられないほど重複ページを吐き出すMTの仕様によるのかもしれません。
そもそも、インストール直後の状態のMTはlink rel=”canonical” の機能も搭載されておらず、その段階でWPより検索エンジンには優しくない仕様になっているというところも関係してくるのかもしれません。
とはいえ、WordPressのrel=”canonical”も一般的な状態だと自己参照カノニカルでしかないので、正規化と言う意味では作用していませんからなんとも判断がつきにくいところですね。

ちなみに、自己参照カノニカルだけを見てMovableTypeがWordPressに劣っていると決め付けるのは早計で、私がアドバイスさせて頂いている去年の11月にオープンしたブログではMTを使っているのですが、適切に重複ページをクロールさせなく設定したり、自己参照canonicalを設定した事によってWPで構築したサイトと変わらないアクセス右肩上がりの状態になっています。(もちろんcanonicalだけが理由ではないでしょうが)

あくまで初期状態でほぼ手を入れていない状態だと、WPのほうが有利なような気がするという程度の違いです。

フィルター2回目

その後、アクセスは元に戻り、順調に右肩上がり・・・とはいきません。

私は他にも色々サイトを運営していますので、この実験用兼趣味ブログを更新するのはよほど暇な時でしかできないからです。

記事をまともに増やしていませんので、新たなキーワードを拾ってくれません。

とはいえ、安定して集客出来ていて安心していたところ、また、フィルターに捕捉されました。

今度は2011/9/16~2011-10/19の1ヶ月を越える圏外旅行です。

上がる時期もあれば、下がる時期もある。

また、放っておいたらあがったりさがったりするヨーヨー現象になるのだな、と理解しました。

短期フィルター

もう、ヨーヨー現象には慣れっこです。

とはいえ、前回の浮上から、短い期間で下降してしまいました。

今回はずいぶん早く、落ちたなーと思っていたら、6日ほどで指定位置に戻りました。

フィルター3回目

また落ちるだろうな、と待っていたら、やっぱり落ちました。

ヨーヨー現象であることはわかっているので、そのメカニズムを妄想してみることにしました。

フィルターにかかって順位が乱高下する(ヨーヨー現象)理由

Googleは検索順位をアルゴリズムで決定しています。

以下はホワイトハットジャパンの予想(妄想)であり、Google検索エンジンのアルゴリズムの考え方で正しいかどうかはわかりませんが考えを述べてみます。

「<hn>タグを使ってわかりやすく伝える」とか、「外部リンクで支持してもらう」とか、「発リンクで関連性を伝える」等など。

それらの加点や、間違った手法や、あまり良くない手法での減点で順位が決まったり、たとえ高得点でもスパム臭い要因が増えてある一定の閾値を超えるとフィルターが発動して検索結果から姿を消して、しばらくの評価期間に入ると考えます。

また、時期によって複数のアルゴリズムが切り替わり、例えばある程度被リンクを重視する時期や、ドメインのオーソリティを重視する時期、サイトの関連性を重視する時期が切り替わっているように感じます。

周期的に来るアルゴリズムの変動というやつですが、被リンクやドメインオーソリティを重視する時期と関連性を重視する時期を切り替えながらちょっとづつバランスを取っている というわけでもないように感じます。

例1.新規のサイトや今までアクセスがあまり多くなかったサイトが一時的に上位に表示された

被リンクもほとんどなく、記事数も多くないサイトが一時的に浮上することがあります。

グーグルハネムーンと呼ばれる事例でもありますが、何も新規ドメインでだけ起こることではありません。

開設してから何年もくだらないことを書いていたブログが、ある日、そこそこの流入量が見込まれるキーワードを含めた記事を書いた際にも同じことが起こります。

これは、Googleが一時的に順位を上げて、クリック率や直帰率、滞在時間など様々な要因を測る為に行っていると考えます。

「クリック率や滞在時間、直帰率なんて自演できるわけだから、そのようなシステムを採用しているとは思えない」と考る方もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。

GoogleはGoogleアカウントやAnalyticsで相当のデータを持っていますし、自前で用意する事ももちろん簡単でしょう。

なら、悪徳業者が複数のIPを切り替えて、クッキーを消去しつつアクセスしたら自演ができるのではないかというお話になりますが、クッキーでその人がどのような動きをしたかということもわかりますし、なら、クッキーを毎回消去すればいい!となっても、ある程度のクッキーのデータが残っていて、信頼できそうなデータだけ使うとすればいいですし、Googleアカウントと連動させていて信頼のおけそうな人のデータだけ使えば良いという話になるのではないかと思います。

なので、スパム業者に対応できなくなるのでクリック率や直帰率、滞在時間などを検索結果に利用していないとは思えないと思うのです。

つまり、有望な新人にチャンスを与えて被リンクなり、クリック率滞在時間なりで評価する期間があると思います。

順位が上がる人がいれば、当然下がる人もいるわけで、謎の順位低下に遭遇するメカニズムはそうなっているのではないかと妄想します。

今までマウンドに上がって良い球を投げていたが、一旦新人に代わって再評価をされる。という仕組みになっていると考えます。

多くの新人は今までのベテランに比べて良いサイトを作っている可能性は低いので、すぐに圏外旅行へ旅立ってしまうでしょう。

これがグーグルハネムーンやエイジングフィルターの種明かしです。

実際に、サイト作りやSEOに慣れていると順調にアクセスは右肩上がりになっていくものですので、エイジングフィルター対策の為にドメインをとってしばらく寝かせておくという行為はナンセンスでしょう。

たまたま順位が上がったり下がったりしているだけなのか

ただ、それだけでは説明できないというか、あくまで先ほど説明した「新人にチャンスを与える」的な動きは有望な新人に限る話だと思います。

アクセス解析の画像を貼った私の個人糞ブログですが、たまたま良質っぽい記事をいくつか書いたというだけで、コンテンツの大半は資源の無駄使いのようなゴミコンテンツが非常に多いです。

また、過去の記事と、たまたま書いた良質っぽい記事は何の関連性もありません。

今まで「ビール飲んで屁こいて寝た」みたいな日常を書き綴っていた人が、突然、数記事、全身全霊をかけて気合の入った「AKB48に対して詳しい記事」を書いたようなものです。

記事の内容はそこそこ良質であるので、検索エンジンは「AKB48に対して詳しい事を書いていそうだな」と判断して一時的に検索エンジンの上位に連れてきてくれます。

AKB48についての情報を知りたい人がそのサイトに訪れた時、AKBの記事は読んだものの、他の記事は「ビール飲んだ」とか「屁こいたらウンコ出た」とか、しょうもない内容の記事しかなければ、直帰率も高まりますし、たまたま覗いた別のページの質が低ければあっという間にブラウザを閉じられてしまうでしょう。

かたや、常に上位に君臨するAKB48の大手サイトは、どのページをクリックしてもAKB48の情報で時間が経つ事も忘れることになるでしょう。

新人と上位固定陣を比較すると差が生じ、新人はまた順位を落とし、ヨーヨー現象が起こります。

私が行った施策内容

基本的に私のどうでもいい日記がメインの糞ブログではあるのですが、何年も蓄積してきた思い出=プライスレス なわけです。

ゴミ記事を全部削除していくなど、とても出来ません。

というわけで、人気のある記事をリストにしてみました。

  • ゲームセンターで取ってきたフィギュアやおもちゃのレビュー
  • 購入したパソコンのレビュー
  • そのパソコンにインストールしたソフトのレビュー
  • そのパソコンを更に快適にする為に新たに購入したガジェット類のレビュー
  • パソコンと同時に新調したデジカメのレビュー

主にアクセスが多いページはこんな感じになりました。

まず、「糞い記事も多いけど、関連性の高い記事も書いているのだよ」とGoogleに伝える為、関連性の高い記事同士を内部リンクでつなぎました。
(ついでに外部の優良記事に対してもリンクを張りハブページっぽく見てもらえるようにもしました)

例えば、パソコン、パソコンソフト、ガジェット類、デジカメは同じデジタル仲間ということでリンクを張りました。

フィギュアの記事とカメラは、このカメラで撮影していますよとか、カメラを買ったので写真を撮ってみたって感じでリンクを張りました。

それによってGoogleに関連性を伝えると同時に、訪問者の回遊性を高め直帰率を下げ、滞在時間を延ばしました。

さて、効果はあったのか

重要なのは施策してどうなったか。ですが、現状まだわからないなぁといったところです。

大体、フィルターは3週間から2ヶ月くらいの周期で訪れているので、早ければもうフィルターは発動していておかしくない時期なのですが、今のところ発動はしていません。

あと1月ほど様子をみて、安定しているようだとこの内部施策で大丈夫であったということでしょう。

またフィルターが発動するようだったら、3行記事のような、糞記事っぽいのを片っ端からnoindexに指定していって再評価を受けたいと思います。

追記:この施策の効果はあったようで、ヨーヨー現象を回避できた感じがするので記事を書きました

ヨーヨー現象からの脱却。私の糞ブログの順位が安定した事例

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